鹿 島 紀 行
撮影日:平成27年3月25〜26日
鹿島紀行は、鹿島根本寺住職の仏頂和尚の招きに応じて、1687年8月に曾良と宗波を伴い、木下街道を北上し、布佐から船で利根川を下って、旅した時の記録だそうです。
紀行の文中には、桃青の名で詠まれた芭蕉の句が7句掲載されていますが、それ以外にも詠まれた句があるこので紹介します。◆印
長勝寺(潮来市)
◆旅人と 吾が名よばれむ はつしぐれ
根本寺(鹿嶋市)
月はやし 梢は雨を 持ちながら
寺に寝て まこと顔なる 月見かな
鹿島神宮(鹿嶋市) 平成28年3月8日撮影
この松に 実生えさせし 神の秋
刈りかけし 田面の鶴や 里の秋
賤の子や 稲摺かけて 月を見る
萩原や 一夜はやせど 山の犬
芋の葉や 月待つ里の 焼畑
◆枯枝に 鴉のとまりけり 穐の暮
息栖神社
◆この里は 気吹戸主の 風寒し
芭蕉は、鹿島に一週間ほど滞在したようです。
◆印は、鹿島紀行に掲載のない句ですが、滞在中に色々な場所を訪れているかもしれませんので、少し調査してみたいと思います。
市川市「泉養寺」
平成28年7月19日
えがおの湯矢切店の近くに芭蕉塚があるというので、入浴前に観に行きました。
ここには、寛保3年(1743年)の芭蕉50回忌に俳人の田中千梅が造立した芭蕉塚がある。これは、房総で一番古い芭蕉塚であり、この寺が、芭蕉庵のあった深川から移転してきたことに由来する。
泉養寺HPより
成田市「楽満寺」
ほろほろと 山吹ちるか 瀧の音
貞享5年(1687年)10月から翌年4月まで、関西方面を旅した際、吉野川上流にある「西河の滝」で詠んだ句です。
鹿島紀行と関係がありそうかと思って訪ねてみましたが、鹿島紀行は、同年の8月ですから、芭蕉一行がここへ立ち寄った訳ではありません。左側に滝のようなしたたりが見えるので、こじつけですね。
平成29年8月20日